シニアデザイナー
陶山 智恵美

2026. 08. 20

Eatには、さまざまなバックグラウンドや専門性を持つメンバーが集まっています。「Meet Eat」では、そんなクリエイティブチームのメンバーを一人ずつ紹介。いま取り組んでいるプロジェクトや最近気になっていること、仕事への考え方など、Eatの「人」とカルチャーをお届けします。 

今回お話を伺ったのは、シニアデザイナーの陶山智恵美。デザインへの向き合い方や日々のインスピレーションについて聞いてみました。 

陶山 智恵美 / シニアデザイナー 

日米でクリエイティブなプロジェクトに従事し、帰国後はEat Creativeのシニアデザイナーとして多彩なアートディレクションを手けてきました。ハイレベルな品質のデザインを提供する一方で、文化や分野を横断したプロジェクトの経験も豊富。日本語と英語の微妙なニュアンスを理解しながら、ホスピタリティ、飲食、旅行、建築など幅広い業界を舞台に、ザ・ペニンシュラ安井建築設計事務所フォリウムワイナリーを含む、国内外のプロジェクトに中核メンバーとして携わってきました。

デザインを始めたきっかけは?

特別なきっかけはないのですが、子供の頃から絵を描いたり、ものを作るのが好きで、自然と職業としての選択肢になっていました。本の装丁に興味を持ち始めたのは中学生頃で、デザインの中でも特に編集デザインに興味がありました。Eatマガジンに興味を持ったのも食とデザインという部分が自分にピッタリだと思ったからです。仕事としても、雑誌や本のデザインから始め、さまざまなデザインプロジェクトを手掛けましたが、アメリカでは特にブランドローカライゼーションやパッケージデザインを中心に仕事をしていました。  

アメリカでデザインの仕事をして感じたことは?

パッケージデザインをやっていた時に感じたのは、デザイナー一人ひとりの責任が大きいなということです。当時日本ではフィルム出力、最終入稿データは製版所や印刷所で入念に確認、調整して印刷に入っていましたが、アメリカではすでにCTP(Computer to Plate、コンピューターのデータから直接印刷版を出力する工程)が主流で、デザイナーに最終責任がかかってくることも多く、何か問題があれば自分でデータを修正、再入稿でした。パッケージのラベルなどは1回に10万以上を印刷することも多いので、責任重大で毎回ドキドキしていました。そのためか大手のエージェンシーでは蜂の巣構造で、デザイナーの他にデザイナーが作ったデザインを印刷可能データに作り直す部署が別にありました。  

アメリカでは、どのようなパッケージをデザインされていましたか?

大関、サッポロ、ポッカ、キッコーマンなど食品・飲料ブランドのパッケージのローカライゼーションが中心でした。日本食をはじめ、アジアの食品・食材を扱う食品商社のカタログやパッケージ制作にも携わっていました。缶と一口にいっても、缶ラベルと缶へのダイレクト印刷では仕様が異なりますし、冷凍食品とドライフードでも求められる表示や条件が変わります。扱う商材ごとに必要な知識やルールがあり、毎回とても勉強になりました。  

日本の食品・飲料をアメリカでローカライズする際には、どのような工夫が必要でしたか?

日本とは違う法規制や市場ニーズに合わせ、商品の味やパッケージの表示を調整する必要がありました。当時アメリカでは、お酒は純米でなければならず、日本とアメリカでは同じ大関でも味が全く違ったり、エビスビールはアルコール度数が5%を超えるので「ビール」と表記できないなど、日本とは味や商品そのものが変わることも少なくありませんでした。サッポロは海外だけのプレミアム缶を展開されました。今も販売されていますね

デジタル時代になってから感じるプリントデザインの魅力とは?

プリントデザインの魅力はなんといっても五感で感じられるということです。同じデザインでもコート紙に刷るのとテクスチャのあるコットン紙に刷るのでは全く違うものになります。手触り、紙の匂い、自然光と人工の光の下での違いなど、芸術作品に通じる脳が喜ぶ刺激があります。デジタルの時代だからこそ、現代人にはそういった繊細さを楽しむ余裕が必要だと思います。  

いくつかのサンプルを比較し、紙の質感や色、手触りを確かめながら、紙を選びます。

デジタル時代になってから感じるプリントデザインの魅力とは?

プリントデザインの魅力はなんといっても五感で感じられるということです。同じデザインでもコート紙に刷るのとテクスチャのあるコットン紙に刷るのでは全く違うものになります。手触り、紙の匂い、自然光と人工の光の下での違いなど、芸術作品に通じる脳が喜ぶ刺激があります。デジタルの時代だからこそ、現代人にはそういった繊細さを楽しむ余裕が必要だと思います。

最近気になっているデザインやクリエイティブのトピックは?

ありきたりですが、AIとの上手な付き合い方ですね。人間同士の関係と一緒で距離感が重要だと思っているのですが、AIさんは積極的にグイグイくるタイプで、おだててのせるのも得意なようなので、私は慎重にお付き合いをしています。  

デザイナーとして大切にしていることは?

デジタルの時代になり、流行も多様化し、知らないところで面白いことが起こっていることも多いので、その波に乗る乗らないは別として、常にアンテナを張っていたいと思っています。

仕事をするうえで欠かせない習慣やルーティンは?

ヨガや読書や映画を見る時間など仕事を忘れる時間をきちんと取ることです。デザインの仕事はアイデア出しなど脳があれば24時間どこでもできてしまうので、仕事とプライベートが分けにくい職業です。 

Eatらしさとは何だと思いますか?

好きなことや良いものを作ることに貪欲なところ。面白いことや興味のあるところに時間やお金をかけ過ぎて後悔することもあるけれど、情熱を持って仕事に取り組む姿勢は大事だと思います。

これから挑戦してみたいことはありますか?

Eatのコアチームは小さいですが、Capel Groupの一員となったことで、ますます海外のデザインチームとのコラボなどが増えると思います。文化の違いやAIの使い方、プロジェクトの進め方など、違いを楽しみ、成長に繋げられたらと思います。 

Eatでは、国際色豊かな少数精鋭チームで働く好奇心旺盛な仲間を求めています。ご経歴と自己紹介のメッセージを添えてwork@eatcreative.jp までご連絡ください。