循環型素材のブランド化
LIXIL
再資源化の難しい廃プラスチックをリサイクルし、循環型社会の実現に貢献
- ブランド戦略
- ネーミング
- グラフィックデザイン
- ストーリーテリング
住まいの水まわり製品と建材製品のグローバルメーカーとして知られるLIXIL。2050年までに事業プロセスおよび製品・サービスによるCO2排出量を実質ゼロにすることを環境ビジョンにかかげており、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」というパーパスの下、気候や環境への影響を最小限にとどめながら、持続可能なくらしを支えるイノベーションの開発に取り組んでいます。
グローバルで見ると、プラスチックの廃棄量は過去20年間で2倍以上にふえており、リサイクル率はわずか9%にとどまっています。OECDが発表した「Global Plastics Outlook」によると、その多くは焼却またはうめ立てられ、環境汚染につながっています。
9%:グローバルでのプラスチックのリサイクル率(Global Plastics Outlook)
こうした背景を受けて、LIXILではプラスチック廃棄量の削減に貢献する新たな製品の開発を進めています。その最新の成果が、道路の舗装材や建材として活用可能な循環型素材。特許技術の応用により廃プラスチックと廃木材を組み合わせており、高い耐久性を誇るだけでなく、使用後に回収することで再度同じ製品として再生することが可能です。同製品1トンを製造することによるCO2排出量と、同量の製品に使われる廃プラスチックと廃木材を焼却処理した場合のCO2排出量を比較すると、80%以上の削減につながり、LIXILの資源循環型社会の実現に向けた取り組みを象徴する製品といえます。そんな新たなイノベーションを普及する上で、名称はとくに重要な要素になります。
ネーミングに求められていたのは、このテクノロジーの特徴をとらえつつ、異なる国や言語で通用すること。Eat CreativeはLIXILの製品チームやブランドチームと議論を重ねながら、記憶しやすいか、多言語で発音しやすいか、耳にした際に思い浮かぶイメージなどの視点から、幅広いネーミング候補を開発・精査しました。
ネーミングにおいて忘れてはいけないのが表記。ひらがな、カタカナ、ローマ字など、表記によって受ける印象は異なります。文字にした際の見た目や口にした際の音だけでなく、同ブランドの戦略的なゴールを体現する名称になるよう、LIXILの役員の方々を交えて客観的な視点で選定を行いました。
80%:従来焼却・熱回収していた資源をリサイクルすることによるCO2排出削減率
選ばれた名称は「レビア(revia)」。ラテン語からインスピレーションを得ており、「新たな命を吹き込む」という同製品のビジョンを表すネーミングです。表記は、ひと目で分かり、口に出しやすいようカタカナで「レビア」としました。また、海外展開を見越して、日本語以外の言語になじみやすいことばを選びました。
「レビア」製品の第一弾、「レビアペイブ」は2023年1月に発表済み。海外展開を見込んでおり、LIXILの事業そして持続可能な社会の実現を推進する上で、重要な役割を果たします。
「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」:持続可能なくらしを支えるイノベーションの開発に取り組むLIXILのパーパス